こんにちは、きくちゃんです。

実は自分の筋トレも
記録を一切していなかった時期があります。

その日の気分で重さを決めて
なんとなく回数をこなして
「今日も動いたな」で終わる。

ラジオ体操の延長みたいな感覚でした。笑

ラジオ体操の延長でいいなら
それはそれでいいんです。

体を動かす習慣としては
十分意味があります。

 
 
 
でも

「筋肉を大きくしたい」
「続けているのに体が変わらない」
「高重量と低重量、結局どっちがいいの?」

となると、話は少し変わります。

 
 
 
たとえば

100kgを1回挙げる。
1kgを100回挙げる。

合計で見れば
どちらも100kgです。

じゃあ、筋肥大も同じなのか。

ここを分けて考えないと

「低重量でも筋肥大する」
「高重量じゃないと意味がない」
「回数を増やせば同じ」

みたいな話が
ごちゃごちゃになりやすいです。

 
 
 
この記事では
100kg×1回と1kg×100回を入口にして
筋肥大、筋力、重さ、回数、限界への近さ、たんぱく質を
一回分けて見ていきます。

 
 
 
 

先にざっくり分けると

 
細かい話に入る前に
この記事のポイントを先に並べます。

  • 合計重量が同じでも、筋肥大への刺激が同じとは限らない
  • 低重量でも筋肥大は起こり得る
  • ただし、楽に動かして終わりでは刺激が弱い
  • 筋肥大では「限界にどれだけ近いか」が大事になる
  • 筋力を伸ばしたいなら、高重量を扱う練習も必要
  • プロテインは材料。筋トレ刺激と総エネルギーも必要

この記事で一番言いたいのは

筋トレは、重さ×回数の合計だけでは判断できない

ということです。

ここから順番に見ていきます。

 
 
 
 

100kg×1回と1kg×100回は同じなのか

 
100kgを1回。
1kgを100回。

合計だけ見れば
どちらも100kgです。

でも
体にとって同じ刺激かというと
そう単純ではありません。

 
 
 
100kgを1回挙げる場合は
一瞬で大きな力を出す必要があります。

筋肉にかかる張力も大きく
フォームを保つ難しさもあり
神経系の動員も強く求められます。

一方で
1kgを100回挙げる場合は
軽い負荷を
長く反復する運動になります。

ただし
1kgという重さが
その筋肉にとって軽すぎるなら
100回やっても
筋肥大の刺激としては弱くなりやすいです。

大事なのは
回数そのものではなく
対象の筋肉が限界に近づいているかです。

最後のほうで本当にきつくなり
フォームを保つのが難しくなり
対象の筋肉にしっかり負荷が乗っているなら
筋肉への刺激になる可能性はあります。

でも
最初から最後まで余裕で動かせるなら
筋肥大の刺激としては弱くなりやすいです。

 
 
 
つまり

「合計100kgだから同じ」

とは言えません。

合計重量を見ること自体は役に立ちます。

ただし
それだけで判断すると
大事なところが抜けます。

どれくらい重いのか。
どれくらい限界に近いのか。
何セットやっているのか。
フォームが保てているのか。
同じ部位にどれくらい刺激が入っているのか。

このあたりが変わると
同じ合計重量でも
体への意味は変わります。

だから

「重さ×回数の合計が同じなら筋肥大も同じ」

とは考えない方がいいです。

 
 
 
ただ
ここで逆に

「じゃあ軽い重さは意味がないの?」

という話になります。

そこも違います。

次は低重量でも筋肥大できるという話を
もう少し丁寧に見ていきます。

 
 
 
 

低重量でも筋肥大は起こる。でも楽でいい話ではない

 
低重量でも高重量でも
条件がそろえば筋肥大は起こり得ます。

ここは大事です。

昔の感覚だと

「筋肥大なら中重量」
「筋力なら高重量」
「軽い重量は筋持久力」

みたいに分けられることが多かったと思います。

この分け方は
完全に間違いではないです。

でも今の研究を見ていくと
筋肥大に関しては
使える重量の幅は思ったより広いです。

低重量でも
限界近くまで行う条件なら
筋肥大は起こり得ると整理されています。

 
 
 
ただし
ここを間違えると危ないです。

「低重量でも筋肥大する」

は言えます。

でも

「軽い重さで楽に動かしていれば同じ」

とは言えません。

リモコンを100回上げ下げしても
腕は太くなりませんよね。

それに近い話です。笑

軽い重量でも
最後のほうで

「これ以上はきつい」
「フォームを保つのがしんどい」
「対象の筋肉に負荷が乗っている」

というところまで近づく必要があります。

筋肥大では
単に回数をこなしたかより
筋肉に十分な刺激が入ったかが大事です。

【根拠メモ|読み飛ばしてOK】
低負荷と高負荷を比較した
系統的レビュー・メタ解析では
限界近くまで行う条件なら
低負荷でも高負荷でも筋肥大は起こり得ると整理されています。

ただし最大筋力は
高負荷の方が伸びやすい傾向があります。
(Schoenfeld BJ et al., 2017)

 
 
 
なので

「1kgを100回でも、ちゃんと限界近くまで行けば意味があるかもしれない」

とは言えます。

でも

「1kgを楽に100回やれば、100kgを1回と同じ筋肥大」

とは言えません。

この違いが大事です。

 
 
 
では逆に
高重量は筋肥大に必須ではないなら
高重量を扱う意味はないのか。

これもまた違います。

次は筋肥大と筋力アップを分けます。

 
 
 
 

筋肥大と筋力アップは、同じルートではない

 
筋トレをすると
筋肉が大きくなることがあります。

これが筋肥大です。

でも
筋肉が大きくなることと
重いものを挙げられるようになることは
完全に同じではありません。

 
 
 
筋トレを始めたばかりのころ
最初の数週間で
扱える重量がグッと伸びることがあります。

でもその短い期間で
胸や腕の筋肉が一気に何kgも増えたとは
考えにくいですよね。

何が起きているかというと
体がその動きを覚えたり
力を入れるタイミングが上手くなったり
無駄な力みが減ったりしています。

これが神経系の適応です。

筋肉そのものが急に大きくなったというより
今ある筋肉をうまく使えるようになる。

そんなイメージです。

 
 
 
筋力を伸ばすには
筋肉量だけでなく
その動作に慣れることも大事です。

ベンチプレスが強くなりたいなら
ベンチプレスで力を出す練習が必要です。

スクワットが強くなりたいなら
スクワットで重さを扱う練習が必要です。

だから
低重量でも筋肥大は起こり得るとしても
最大筋力を伸ばしたい人にとって
高重量を扱う意味は普通にあります。

 
 
 
つまり

「低重量でも筋肥大できるから、高重量はいらない」

も言いすぎです。

逆に

「高重量じゃないと筋肥大しない」

も言いすぎです。

筋肥大を見ているのか。
最大筋力を見ているのか。

ここで答えが変わります。

【根拠メモ|読み飛ばしてOK】
筋力向上には筋肉量だけでなく
神経系の適応や
筋肉同士の協調も関わります。

Sale DG, 1988のレビューは古い文献ですが
筋力向上を筋肉量だけで説明しないための土台として
今でもよく参照されます。

細かい神経機序は
近年の研究と合わせて慎重に見る必要があります。

 
 
 
ここまでで
重さと回数の話はだいぶ見えてきました。

次は筋肉を大きくするための材料の話です。

 
 
 
 

プロテインは材料。でも刺激の代わりにはならない

 
筋肥大には
筋トレだけでなく
たんぱく質も関係します。

ここでよくあるのが

「プロテインを飲めば筋肉がつく」

という見方です。

これは少し飛んでいます。

プロテインは大事です。

でも
飲めば勝手に筋肉が増える粉ではありません。

そこまで万能なら
もう少し楽してます。笑

 
 
 
イメージとしてはこんな感じです。

筋トレは「筋肉を作れ」という指示。
たんぱく質は筋肉を作る材料。
総エネルギーは工事を進めるための費用。

材料だけ積んでも
建築の指示がなければ
家は建ちません。

逆に
指示だけ出しても
材料と工事費が足りなければ
増築は進みにくいです。

筋トレ刺激。
たんぱく質。
総エネルギー。
睡眠。
継続。

このあたりがそろって
筋肉は変わりやすくなります。

【根拠メモ|読み飛ばしてOK】
レジスタンストレーニング中の
たんぱく質補給が
除脂肪量・筋力の増加を上乗せするという
系統的レビュー・メタ解析があります。

ただし
たんぱく質だけ足しても
トレーニング刺激や総エネルギーが足りなければ
効果は期待しにくいという整理です。
(Morton RW et al., 2018)

 
 
 
だから
ちゃんとトレーニングしているのに
たんぱく質が明らかに足りない人は
プロテインで補う意味があります。

でも

筋トレ刺激が弱い。
食事全体が足りていない。
睡眠が削れている。
継続できていない。

この状態でプロテインだけ足しても
期待値は高くないです。

プロテインは不足分を埋める道具です。

主役は
筋トレ刺激と食事全体の設計ですね。

 
 
 
ここまで見ると
100kg×1回と1kg×100回の話は
単なる計算問題ではないことが分かってきます。

最後に
目的によって見る数字がどう変わるかを整理します。

 
 
 
 

目的によって、見る数字が変わる

 
筋トレは
全部同じ目的でやるものではありません。

筋肉を大きくしたい。
重い重量を挙げたい。
ダイエット中に筋肉を落としたくない。
細く引き締まって見せたい。
日常生活を楽にしたい。

全部「筋トレ」ではあります。

でも
見ているゴールが違います。

 
 
 
筋肥大を狙うなら
見るべきなのは
筋肉に十分な刺激が入っているかです。

重さ、回数、セット数だけでなく
限界にどれくらい近いか
フォームが崩れていないか
同じ部位にどれくらい積めているか。

このあたりを見ます。

筋力を伸ばしたいなら
高重量を扱う練習の意味が大きくなります。

同じ筋肉量でも
その動作で力を出す技術が上がれば
挙げられる重量は変わります。

ダイエット中に筋肉を守りたいなら
やみくもに追い込むより
筋トレ刺激を残しながら
たんぱく質、総エネルギー、回復を
落としすぎないことが大事です。

細く見せたい人は
「筋肉が増える=太くなる」と決めつける前に
体脂肪、むくみ、姿勢、筋肉のつき方を
分けて考えた方がいいです。

日常生活を楽にしたいなら
見た目や最大重量だけでなく
立つ、しゃがむ、階段、荷物を持つなど
生活動作に近い力も大事になります。

 
 
 
100kg×1回と1kg×100回も
同じです。

合計重量だけ見れば同じ。

でも
筋肥大を狙うのか
筋力を狙うのか
日常動作を楽にしたいのかで
見方が変わります。

 
 
 
昔の僕みたいに
ラジオ体操の延長として続けるなら
それはそれでいいです。

でも
体を変えたいなら
目的を決めた方がいいです。

目的が決まると
重さ、回数、セット数、たんぱく質の
見え方が変わります。

 
 
 
 

まとめ

 
100kgを1回挙げる。
1kgを100回挙げる。

合計で見れば
どちらも100kgです。

でも
筋肥大への刺激は同じとは限りません。

 
 
 
筋トレは
重さ×回数の合計だけでは判断できません。

どれくらい重いのか。
どれくらい限界に近いのか。
どの筋肉に刺激が入っているのか。
フォームが保てているのか。
何セット積めているのか。

このあたりで意味が変わります。

 
 
 
低重量でも筋肥大は起こり得ます。

ただし
楽に動かして終わりでは弱いです。

高重量は
最大筋力を伸ばしたい人にとって意味があります。

でも
高重量じゃないと筋肥大しない
という話でもありません。

プロテインは材料です。

大事ですが
筋トレ刺激の代わりにはなりません。

 
 
 
筋トレ情報を見るときは
合計重量だけで判断しない。

まず

「自分は何を変えたいのか」

ここから見た方がいいです。

 
 
 
 

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参考文献・参考資料

 
Schoenfeld BJ, Grgic J, Ogborn D, Krieger JW.
Strength and Hypertrophy Adaptations Between Low- vs. High-Load Resistance Training: A Systematic Review and Meta-analysis.
Journal of Strength and Conditioning Research. 2017.
エビデンスの種類:系統的レビュー・メタ解析。
低負荷でも高負荷でも、限界近くまで行う条件なら筋肥大が起こり得る一方、最大筋力は高負荷の方が伸びやすいという整理に使いました。「低重量でも筋肥大できる」を「楽にやれば同じ」と読まないための土台にしています。

Morton RW, Murphy KT, McKellar SR, et al.
A systematic review, meta-analysis and meta-regression of the effect of protein supplementation on resistance training-induced gains in muscle mass and strength in healthy adults.
British Journal of Sports Medicine. 2018.
エビデンスの種類:系統的レビュー・メタ解析・メタ回帰。
レジスタンストレーニング中のたんぱく質補給が除脂肪量や筋力の増加を上乗せする根拠として使いました。たんぱく質だけで筋肉が増える話ではなく、トレーニング刺激や総エネルギーとセットで見る必要があります。

Sale DG.
Neural adaptation to resistance training.
Medicine & Science in Sports & Exercise. 1988.
エビデンスの種類:レビュー。
筋力向上には筋肉量だけでなく神経系の適応も関わるという説明の土台として使いました。古いレビューなので細かい神経機序は近年の研究と合わせて読む必要があります。

Carroll TJ, Riek S, Carson RG.
Neural adaptations to resistance training: implications for movement control.
Sports Medicine. 2001.
エビデンスの種類:レビュー。
筋力向上と神経系の適応を補足するために使いました。筋肉の大きさだけでなく、動作の学習や筋の動員が筋力に関わるという整理に使っています。

Schoenfeld BJ, Grgic J, Van Every DW, Plotkin DL.
Loading Recommendations for Muscle Strength, Hypertrophy, and Local Endurance: A Re-Examination of the Repetition Continuum.
Sports. 2021.
エビデンスの種類:ナラティブレビュー。
「低回数高重量=筋力」「中回数=筋肥大」「高回数=筋持久力」という単純な分け方を見直す資料として使いました。実際には目的や限界への近さで見方が変わるため、回数だけで判断しないという整理に使っています。