ケトジェニックをやったとき
2〜3日で2〜3kg落ちました。

正直、かなりびっくりしました。

「糖質ってここまで
体重に絡むんだ」って。

でも同時に思ったんです。
「これ、全部脂肪が
落ちたわけじゃないな」と。

体の仕組みを少し知っていたから
変化の中身をまだ読めました。
知らなかったら、たぶん
「やっぱり糖質が悪かった」
で終わっていたと思います。

この記事では

・なぜ糖質を減らすと
 体重が落ちやすく見えるのか

・「糖質=悪」で止まると
 何がズレるのか

・実際にはどこを先に見ればいいのか

この3点を順番に整理します。

 
 

SNSで飛び交う2つの極端な話

 

糖質の話になると
SNSでよく見るのは
だいたいこの2つです。

「糖質は太る。絶対に減らすべき」
「いや、ごはんはしっかり食べるべき」

どちらも
一部は当たっています。

でも、どちらも
条件をかなり飛ばしやすいです。

糖質制限がはまる人もいます。
主食を減らした方が
食事全体が整う人もいます。

一方で、主食を削ったせいで
反動が強くなったり
運動の質が落ちたり
夜に崩れる人もいます。

白米だけ悪者にしている話を見ると
その前に
菓子パンと甘い飲み物を
見たいなと思うんですよね。

そこを飛ばして
「糖質が悪い」で止まると
見る順番が逆になります。

 
 

なぜ糖質を減らすと体重が落ちやすく見えるのか

 

理由は大きく3つあります。

1. グリコーゲンと水分が一緒に動く

糖質は体の中で
グリコーゲンとして
主に筋肉と肝臓に貯蔵されます。

このグリコーゲンは
水と一緒に保持されやすいです。

筋ではグリコーゲン1gあたり
だいたい3〜4gの水が
一緒に動くという理解が
生理学の研究・レビューで
繰り返し出てきます。

なので、糖質摂取を減らすと
脂肪が大きく減る前でも
体重だけ先に動きます。

僕がケトジェニックの初期に
2〜3日で2〜3kg落ちたのも
少なくとも脂肪だけでは
説明しにくい変化でした。

体重の変化を全部
「脂肪が落ちた」と読むのは
かなり危ないです。

ちなみに僕自身は
切り替えの初期に
少しふらつく感じがありましたが
全員が同じになるわけではないです。


2. 総摂取量が一緒に減りやすい

糖質を減らそうとすると
白米・パン・麺だけじゃなく
菓子・ジュース・菓子パン・間食まで
一緒に減ることが多いです。

すると結果として
1日の総摂取エネルギーが
下がりやすくなります。

体重が動いた理由は
「糖質を抜いた魔法」より
全体として食べる量が減った
というケースがかなり多いです。

体脂肪の増減は大きくは
エネルギー収支の影響を受けます。

これはガイドラインや
代謝研究の大前提に近い話です。


3. 食品の選び方そのものが変わる

糖質を気にし始めると

  • ジュースをやめる
  • 菓子パンを減らす
  • 夜のお菓子を控える

こういう変化が起こりやすいです。

これはすごくいいことです。

ただ、その効果を全部
「糖質そのものの罪」にまとめると
あとで混乱します。

本当は
糖質を減らしたというより
雑に入っていた足し算が減った
という面もかなりあります。


 
 

糖質そのものが太るのか

 

ここは言い切りすぎない方が正確です。

体脂肪の増減は
最終的にはエネルギー収支の影響を
強く受けます。


低糖質食は短い期間では
体重がやや動きやすく見えることがあります。

でも、長い目で見ると
他の食事法との差が
かなり小さくなることが多いです。


2022年のCochraneレビューでは
低糖質食とバランス型の減量食を比べても
短期でも長期でも差は小さい
という整理でした。

エビデンスの強さとしては
RCTをまとめた系統レビューです。


さらに、609人を1年間追った
DIETFITS試験でも
健康的な低脂質食と
健康的な低糖質食のあいだで
12か月の体重減少差は
有意ではありませんでした。

これは大規模RCTです。


「糖質を食べる=太る」ではなく
「量と全体設計をどう置くか」
で見た方が現実に合っています。

 
 

活動量がある人ほど削りすぎで
崩れることがある

 

糖質は活動の燃料でもあります。

特に筋トレや
高強度の運動、繰り返し系の運動では
糖質の関与が大きくなります。


スポーツ栄養の
ポジションスタンドでも
高強度・長時間の運動では
糖質の確保が
パフォーマンス維持や
グリコーゲン回復に重要だと
整理されています。

レビューおよびポジションスタンド水準の根拠です。


だから

  • 筋トレをしっかりやる人
  • スポーツをする人
  • 立ち仕事で活動量が多い人
  • 主食を抜くと反動が来やすい人


このあたりは
糖質を極端に削るほど
崩れやすいことがあります。


起こりやすいズレは

  • トレーニングの質が落ちる
  • 日中の動きが鈍くなる
  • 疲れてNEATが落ちる

このへんです。

 
 

削りすぎると起きやすいこと

 

反動で食欲が暴れやすい

主食を急にゼロにする。

昼を軽くしすぎる。

夜に限界が来る。


この流れ、かなり多いです。


「糖質を我慢しているのに
食べすぎてしまう」という状態は
意志の問題というより
設計の問題であることが多いです。


理論上よさそうでも
続かない設計なら
普通に崩れます。



「抜いたのに痩せない」で迷子になる


ごはんを減らした。


でもその代わりに

  • 脂質が増えた
  • 間食が増えた
  • 夜にどかっと食べた
  • 外食で帳尻が狂った

こうなると全体では
エネルギー赤字が
作れていないことがあります。


このとき必要なのは
さらに主食を切ることではなく
どこで総量が増えているかを見ることです。

 
 

先に見るべき場所

 

ごはんを悪者にする前に
先に見たい場所があります。


  • 甘い飲み物が多くないか
  • 菓子パンやお菓子を
     日常的に食べていないか
  • 夜だけ食欲が暴れていないか
  • 外食で主食と脂質の
     抱き合わせが多くなっていないか
  • ヘルシーだと思っている間食の量
     (グラノーラ・スムージー・
     プロテインバーも量次第)


先に切るべきなのは
ごはんそのものではなく
気づいていない足し算
であることがかなり多いです。

 
 

3つの勘違いを片づけます

 

糖質を抜けば脂肪がどんどん燃える

体重は動きやすいです。

でも初期は
水分とグリコーゲンの影響が
かなり混ざります。


早い体重変化を
そのまま脂肪減少と
イコールにしない方がいいです。


Hallらの代謝研究でも
等カロリーのケト食で
体脂肪減少が特別に大きくなった
とは読みにくい結果でした。

これは代謝病棟での介入研究です。



糖質はできるだけ少ない方がいい

短期で合う人はいます。

でも、長期で
誰にとっても明確に優れている
とは言いにくいです。

系統レビューでも
1〜2年では差がかなり小さいです。



白米をやめれば全部解決する

白米だけ見ていても
全体設計が崩れていたら
普通に停滞します。

主食・脂質・間食・食事間隔
睡眠・活動量。

このへんまで見た方が
現実ではズレにくいです。


 
 

まとめ

 
ごはんを減らすと
体重が落ちやすく見えることはあります。
 
 
 
でも、その中身には

  • グリコーゲンと水分の変化
  • 総摂取量の低下
  • 食品選択の変化

このあたりがかなり混ざっています。
 
 
 
だから
「糖質を減らしたら体重が落ちた」
という経験だけで
「糖質が悪い」と決めると
次の一手を間違えやすいです。
 
 
 
本当に見るべきなのは
糖質を食べたかどうかだけではありません。
 
 
 
どこで食べすぎているのか。
活動量に対して足りているのか。
減らしすぎて反動が出ていないか。
続けられる食事設計になっているか。
 
 
 
ここまで見た方が
かなり判断しやすくなります。
 
 
 
糖質は
悪者にするものではありません。
 
 
 
ただし
量も種類もタイミングも
何でもいいわけではありません。
 
 
 
白米をゼロにする前に
甘い飲み物、菓子パン、間食
外食での脂質との抱き合わせ。
 
 
 
先に見る場所がある人も多いです。
 
 
 
SNSで流れてくる
「糖質は悪」
「ごはんは絶対食べろ」
みたいな極端な話に引っ張られそうになったとき
体の仕組みを知っていれば
一度立ち止まれます。
 
 
 
この記事で持ち帰ってほしいのは
そこです。
 
 
 

次に読むなら

ここまでが

糖質を減らしたときに

体重が落ちやすく見える理由の整理です。

この記事では

糖質だけを見るのではなく

グリコーゲンと水分

総摂取量

食品選択

活動量との相性まで分けて見ました。

ここまで読んで

「じゃあ自分は糖質を何g残せばいいの?」

「脂質やたんぱく質とのバランスはどう決めればいいの?」

となった人は

次はこちらが近いです。

→

こちらでは

自分の体重、活動量、減量幅から

スタートのカロリーとPFCを決めて

たんぱく質を何g置くか

脂質をどこまで下げるか

残りの炭水化物をどれくらい使えるか

2週間後にどこを修正するかまで扱っています。

糖質だけを見ていると

食事全体の配分が見えにくくなります。

P、F、Cをまとめて決めたい人は

PFCの記事から入ると

かなり迷いにくいと思います。

迷ったら

プロフィールの案内記事から

今の悩みに近いものを見てみてください。

読んでくれてありがとうございます。

「なるほど」と思った部分があれば、スキだけでも押してもらえると、次の記事を書く励みになります。

 
 

参考文献

Naudé CE, et al. Low-carbohydrate versus balanced-carbohydrate diets for reducing weight and cardiovascular risk. Cochrane Database Syst Rev. 2022.
Gardner CD, et al. Effect of Low-Fat vs Low-Carbohydrate Diet on 12-Month Weight Loss in Overweight Adults. JAMA. 2018.
Hall KD, et al. Energy expenditure and body composition changes after an isocaloric ketogenic diet in overweight and obese men. Am J Clin Nutr. 2016.
Fernández-Elías VE, et al. Relationship between muscle water and glycogen recovery after prolonged exercise in the heat. Eur J Appl Physiol. 2015.
Burke LM, et al. Postexercise muscle glycogen resynthesis in humans. J Appl Physiol. 2017.
Kerksick CM, et al. International Society of Sports Nutrition position stand. J Int Soc Sports Nutr. 2017 / 2018 update.