毎日動いてるのに
なぜか体重が落ちない。
そのとき最初に疑うのは
「運動量がまだ足りない」
ではないかもしれません。
食事で戻っているのか。
日中の活動量が落ちているのか。
睡眠で崩れているのか。
体重の見方を間違えているのか。
運動の外で
帳尻が消えていることは
普通にあります。
僕はこれ、
職場でも何回か見たことがあります。
「動いてるのに痩せんわ〜」
って言いながら
椅子に座ってお菓子を食べていたり。
同僚が
「運動してるのに痩せない」
って言っていたんですけど、
僕が健康のために階段を使っていたら
横でエレベーターに乗って
最上階まで上がっていたり。笑
「一緒に乗らないの?」
と聞かれたので、
「ダイエットと健康のために
階段を使いますッ!」
って言ったら、
僕と移動するときだけ
階段を使うようになりました。笑
でも、こういうのって
別にその人だけの話ではないんですよね。
僕自身も減量していた時期に、
普段はスタンディングデスクで
作業していたのに
なぜか座る時間が増えていて、
「あれ、活動量落ちてるな」
と気づいたことがあります。
無知だった高校生の頃は、
痩せるには
「ランニングしかねえ!」
と本気で思っていました。
でも調べていくと、
運動しているのに痩せない原因は
運動不足だけで説明できないことが
多いんですよね。
この記事では
運動しているのに痩せないとき、
最初にどこを見るかを整理します。
見るポイントは大きく5つです。
食事で戻っていないか
NEAT(日常活動)が落ちていないか
体重のノイズを脂肪と読んでいないか
睡眠不足で崩れていないか
判断する期間が短すぎないか
TDEEの中身から
もう少し土台を見たい人は
先にこちらをどうぞ👇
体重は「運動したか」だけでは決まりません
体重の変化は、
ざっくり言うと
入ってくるエネルギーと
出ていくエネルギーの差で決まります。
ただ、この
「出ていくエネルギー」を
運動だけで考えると
話が変になります。
1日の総消費エネルギーは
TDEEと呼ばれます。
TDEEは
Total Daily Energy Expenditureの略で、
簡単に言うと
1日に使うエネルギー全部のことです。
この中には、
安静にしていても使うエネルギー
食事の消化吸収で使うエネルギー
歩く・立つ・運動するエネルギー
などが含まれます。
さらに活動の部分は
大きく2つに分けられます。
EAT:筋トレ、ランニング、ジムなどの計画的な運動
NEAT:家事、通勤、階段、立つ、歩くなどの日常活動
ここが大事です。
「運動しているのに痩せない」
という人は、
EATだけを見ていることが多いです。
でも実際には、
ジムで増やした分が
食事やNEATの低下で
消えていることがあります。
たとえば、
週3回ジムで走って
1回200kcal消費したとします。
週に600kcal。
1日に直すと約85kcalです。
でもそのあと
「今日は走ったし」と思って
ソファから動かなくなったり、
階段を避けたり、
帰ってから座る時間が増えたりして、
NEATが1日100kcal落ちていたら
どうでしょう。
足したはずの85kcalより、
抜けた100kcalの方が大きい。
運動はしている。
でも1日全体で見ると
消費が増えていない。
こういう帳尻の消え方が、
現実にはあります。
だから
「運動しているか」だけではなく、
「運動した分が、1日の中で残っているか」
まで見た方がいいんですよね。
運動した分は、食事でわりと簡単に戻ります
まず見たいのは食事です。
運動すると
お腹が空きやすくなります。
それ自体は自然な反応です。
身体からすれば、
エネルギーを使ったあとに
補給したくなるのは普通です。
問題は、
「今日は頑張ったし」で
食べる量が少し増えることです。
たとえば
ランニングで200kcal消費しても、
帰ってから菓子パンを1個食べれば
簡単に戻ります。
飲み物、調味料、つまみ食い、
外食の一品追加でも
同じことが起きます。
僕としては、
ここを責めたいわけではありません。
ただ、
「運動したのに痩せない」
と感じるときは、
運動後に食事が増えていないかを
一度見た方がいいです。
運動は大事です。
でも、運動は免罪符ではありません。
ダイエットの主役は
やっぱり食事設計です。
運動は、
その食事設計を助けるもの。
体力や筋肉を守るもの。
健康面を支えるもの。
として見る方が近いです。
いちばん見落としやすいのはNEATです
次に見たいのがNEATです。
NEATは
運動以外の日常活動で使うエネルギーです。
歩く。
立つ。
階段を使う。
家事をする。
姿勢を保つ。
こういう細かい動きですね。
これが地味に効きます。
週3回ジムに行っていても、
それ以外の時間ずっと座っていたら
1日全体の消費は伸びにくいです。
しかも減量中や
運動量を増やした時期は、
本人が気づかないまま
NEATが落ちることがあります。
たとえば、こういう感じです。
ジムでは頑張るけど、その後ずっと座る
疲れて階段を避ける
家で横になる時間が増える
休日の移動が減る
仕事中に立つ時間が減る
これ、めちゃくちゃ現実的です。
僕も減量中に、
スタンディングデスクを使っていたのに
いつの間にか座る時間が増えていました。
そのとき
「あ、食事だけじゃなくて
日中の動きも落ちてるな」
と思ったんですよね。
ここを見ずに
「じゃあ有酸素を増やそう」
とすると、
さらに疲れて
日中の動きが落ちることもあります。
運動を増やしたのに、
1日の合計ではあまり増えていない。
これが、
運動しているのに痩せない人で
かなり起こりやすいところです。
座りっぱなしの問題については
こちらでも詳しく書いています👇
体重が動かないのではなく、見えにくいだけのこともあります
次に見たいのが
体重の読み方です。
短期の体重変動は
脂肪だけで決まりません。
水分。
グリコーゲン。
胃腸の中身。
便通。
塩分。
筋トレ後の炎症や回復。
このあたりが普通に混ざります。
特に運動を始めた直後や
強度を上げた直後は、
体重が見えにくくなることがあります。
筋肉が傷ついて回復する過程で
水分をため込むこともありますし、
糖質を食べた翌日は
グリコーゲンと一緒に水分も増えます。
つまり、
前日より1kg増えたからといって
その1kgが脂肪とは限りません。
ここで前日比だけ見て、
「もうダメだ」
「やっぱり運動しても痩せない」
と判断すると、
行動の方を壊しやすいです。
体重は毎日測っていいです。
むしろ毎日測る方が
流れは見えやすいと思います。
でも判断は、
前日比ではなく
7日平均で見る方がいいです。
もっと言えば、
2週間で焦るより
4週間くらいの流れで見た方が
読み間違いは減ります。
体重が増えたときの見方は
こちらでもまとめています👇
睡眠不足のまま運動を増やすと、別の場所が崩れます
睡眠も見落とされやすいです。
睡眠不足が続くと、
食欲が増えやすくなったり、
間食が増えたり、
疲労で日中の活動量が落ちたりします。
つまり睡眠不足は、
食事にもNEATにも影響します。
寝不足のまま
「もっと運動すれば痩せるはず」
と考えると、けっこう危ないです。
運動を増やす。
疲れる。
日中の活動量が落ちる。
夜に食欲が強くなる。
睡眠の質も落ちる。
こうなると、
運動量を増やしているのに
体重は思ったほど動きません。
これは運動不足というより、
回復不足に近いです。
もちろん、
睡眠を直しただけで
全員が勝手に痩せるわけではありません。
でも、寝不足が続いている人は、
運動量を増やす前に
睡眠を見た方がいい場面があります。
睡眠と減量の関係は
こちらで詳しく書いています👇
停滞したときは、この順番で見ます
運動しているのに痩せないときは、
いきなり運動量を増やす前に
次の順番で見てください。
① 摂取量と記録の抜け
まず食事です。
目分量、つまみ食い、飲み物、調味料、
外食、週末の食べ方が
抜けていないかを見ます。
「運動してるから大丈夫」
と思っていると、
ここで戻っていることがあります。
② 体重の見方
前日比だけで判断していないか。
水分や胃腸の中身で、
数日単位の体重は普通に動きます。
判断は
7日平均から見た方が安全です。
③ NEAT
運動回数だけでなく、
歩数、立っている時間、
座っている時間を見ます。
ジムに行っている日ほど、
それ以外の時間に座っていないか。
ここは一度見た方がいいです。
④ 睡眠
寝不足が続いているなら、
食欲、疲労、NEAT低下の原因に
なっているかもしれません。
運動を増やす前に、
睡眠を立て直した方がいい場面があります。
⑤ 判断する期間
2週間以下で
「痩せない」と決めるのは早いです。
体重のノイズが大きい時期もあるので、
できれば4週間くらいの流れで見たいです。
こういう状態なら、運動不足より設計の見直しです
次のうち2つ以上当てはまるなら、
「もっと運動する」より先に
設計を見直した方がいいです。
運動後に食べる量が増えている
ジムに行った日は、その後ほとんど座っている
体重を前日比だけで見ている
最近ずっと寝不足気味
週末や外食で毎回戻っている
2週間以内で結果を決めている
運動を増やすこと自体が
悪いわけではありません。
ただ、
どこで帳尻が消えているかを見ないまま
運動だけ足しても、
また同じところで止まりやすいです。
よくある質問
運動は意味ないんですか?
意味はあります。
ただ、運動だけで
全部を解決しようとすると、
思ったほど体重が動かないことがあります。
食事、NEAT、睡眠、体重の見方まで含めて、
1日の帳尻で見た方がいいです。
歩数も見た方がいいですか?
見た方がいいです。
ジムでの運動だけ見ていると、
日中のNEAT低下を見落としやすいからです。
「運動はしているのに痩せない」
という人ほど、
歩数や座っている時間を
一度見る価値があります。
何週間くらいで判断すればいいですか?
単日では判断しない方がいいです。
最低でも7日平均。
できれば4週間くらいの流れで見た方が、
余計な焦りは減ります。
まとめ
運動しているのに痩せないとき、
最初に疑うべきは
「運動量が足りない」
だけではありません。
先に見たいのはここです。
食事で戻っていないか
NEATが落ちていないか
体重のノイズを脂肪と読んでいないか
睡眠不足で崩れていないか
判断する期間が短すぎないか
運動は大事です。
でも、運動だけを見ていると、
他の場所で消えている帳尻に
気づけません。
スタンディングデスクを置いてたのに
座る時間が増えてた昔の僕みたいに、
帳尻は自分でも気づかないところで
消えていたりします。
食事なのか。
日中の活動量なのか。
体重の読み方なのか。
睡眠なのか。
それとも期間が短すぎるだけなのか。
ここを分けずに
「じゃあもっと運動しよう」
と進むと、
また同じところで詰まりやすいです。
この記事では、
その入口を整理しました。
次に読むなら
ここまで読んで
「じゃあ自分は何を
どの順で見ればいいの?」
となった人は、
こちらの記事でまとめています👇
食事、体重の見方、活動量、
停滞したときの確認順を
まとめてたどれるようにしています。
PFCなのか。
NEATなのか。
体重の見方なのか。
外食や週末の崩れなのか。
その確認順まで持ちたい人は、
設計書から入ると迷いにくいと思います。
迷ったらプロフィールからどうぞ。
最後まで読んでくれてありがとうございます。
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参考文献・参考資料
National Academies of Sciences, Engineering, and Medicine. Dietary Reference Intakes for Energy. 2023.
→ 公的資料。エネルギー必要量や消費エネルギーの考え方の土台として参照。
FAO/WHO/UNU. Human Energy Requirements. Report of a Joint FAO/WHO/UNU Expert Consultation. 2001.
→ 国際機関の報告書。エネルギー消費・必要量の基本整理として参照。
Levine JA. Non-exercise activity thermogenesis (NEAT). Best Pract Res Clin Endocrinol Metab. 2002;16(4):679-702.
→ レビュー。NEATの概念整理として参照。
Levine JA, Eberhardt NL, Jensen MD. Role of nonexercise activity thermogenesis in resistance to fat gain in humans. Science. 1999;283(5399):212-214.
→ ヒト過食研究。NEATの個人差と脂肪蓄積の関係を示した研究。人数は多くないため、一般化には注意。
Pontzer H, Durazo-Arvizu R, Dugas LR, et al. Constrained Total Energy Expenditure and Metabolic Adaptation to Physical Activity in Adult Humans. Curr Biol. 2016;26(3):410-417.
→ 観察研究。身体活動が増えても総消費エネルギーが直線的に増え続けるとは限らない可能性を示した研究。因果の断定には注意。
Flack KD, Hays HM, Moreland J, Long DE. Exercise for Weight Loss: Further Evaluating Energy Compensation with Exercise. Am J Clin Nutr. 2020;111(5):965-973.
→ 介入研究。運動による減量でエネルギー補償が起こる可能性を検討した研究。
Hall KD, Heymsfield SB, Kemnitz JW, et al. Energy balance and its components: implications for body weight regulation. Am J Clin Nutr. 2012;95(4):989-994.
→ レビュー。エネルギー収支と体重調整の基本整理として参照。
Bhutani S, Kahn E, Tasali E, Schoeller DA. Composition of two-week change in body weight under unrestricted free-living conditions. Obes Sci Pract. 2017;3(4):408-417.
→ 自由生活下の短期体重変化の中身を見た研究。短期の体重変動には脂肪以外も含まれる点の参考。
Covassin N, Singh P, McCrady-Spitzer SK, et al. Effects of Experimental Sleep Restriction on Energy Intake, Energy Expenditure, and Visceral Obesity. J Am Coll Cardiol. 2022;79(13):1254-1265.
→ RCT。睡眠制限が摂取エネルギーや内臓脂肪に与える影響を検討した研究。
Tasali E, Wroblewski K, Kahn E, Kilkus J, Schoeller DA. Effect of Sleep Extension on Objectively Assessed Energy Intake and Body Weight in Adults With Overweight in Real-Life Settings. JAMA Intern Med. 2022;182(4):365-374.
→ RCT。睡眠時間の延長により摂取エネルギーが低下したことを示した研究。対象条件には注意。